資産の運用を行なう投資のプロは、ファイナンス理論を駆使して、金融資産のリスクを評価すべきだ。
リスクの高い金融資産は、機関投資家など大量の投資資金を有する主体が分散させ、投資の一環として購入すべきものである。
あるいは、他の資産とポートフォリオを組んで、安全な投資信託として個人に販売すべきものである。
今回の問題の発端となったヨーロッパの銀行のケースを見ると、こうしたファンドを個人が直接に購入している場合もあるようだ。
個人が高いリスク対象に直接に投資することが問題なのである。
日本の対外資産の含み損サブプライムローン関連金融商品の破綻によって、金融機関に巨額の損失が発生していることは、よく知られている。
アメリカZ務省の次官補が2008年3月初めに講演したところでは、サブプライムローン関連の全世界の金融機関の損失額は、約2000億ドル(約20兆7000億円。
のうち半分がアメリカの金融機関の損失)だ。
これに匹敵する額の損失が、外貨準備だけですでに日本で発生している可能性がある。
対外資産全体で見れば、損失は超えるだろう。
なぜなら、日本の対外資産のかなりがドル建てだからだ。
したがって、円高による含み損は、かなり深刻なレベルにまで膨張して、日本の対外資産の価値が大幅に失われたことになる。
円ドルレートは、2007年6月22日の123.9円から2008年3月の99円まで、約25%円高ドル安に動いた。
したがって、この間にドル建て資産は約25%減価したことになる。
対外証券投資の半分の25%といえば、約35兆円になる。
もちろん、円に換金しなければ、この損失は含み損のままとどまる。
含み損であって現実化した損失ではないから、その影響はただちに目立ったかたちでは現れない。
日本の資産がそれだけ失われたことは事実である。
なお、購入時との比較で価値が低下したかどうかは、購入時の円ドルレートに依存する。
購入時点によっては、現在でも含み益になっている場合があるだろう。
このように取得原価がわからないので正確な評価はできないが、数十兆円の含み損が発生している可能性は否定できない。
1990年代のバブル崩壊によって、日本の金融機関は巨額の損失を被った。
金融庁の資料によれば、全国銀行の1992年から2006年までの不良債権処分損の累計は、約97兆円である。
この数分の一の規模の損失が、これまでの円高ですでに発生している可能性がある。
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